ポカポン
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東京国際映画祭 世界の外から聞こえてくる
その声はどこから来るのか……温もりと不穏が奏でる、未知のサイコ・スリラー

その声はどこから来るのか……
温もりと不穏が奏でる、未知のサイコ・スリラー

ポカポン

原田琥之佑 尾関伸次 菜 葉 菜

監督・脚本:大塚信一 音楽:新音楽制作工房/菊地成孔

大角英夫 川瀬陽太 山崎ハコ 足立智充 久田松真耶 木村知貴 牛丸亮 松本太陽

製作:横瀬文夫 横瀬大 光冨公彦 美斉津明子 出町光識 プロデューサー:浅野博貴 森田一人  撮影/美術:永山正史
照明:神野誉晃 録音:佐藤祐美 衣装:齊藤あかね 松浦美幸  助監督:平波 亘 國谷陽介 秋葉美希 VFX:佐治英理人 
カラリスト:稲川実希 配給:インターフィルム 提供:映画『POCA PON ポカポン』製作委員会 配給:インターフィルム Cinemago 
2025年/日本/94分/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch 映画『POCA PON ポカポン』製作委員会

世界が待ち望んでいた日本映画の新たな到達点がここに。
第38回東京国際映画祭にて多くの観客に衝撃を与えた話題作が遂に公開!

5月9日(土)新宿K’s cinema、ユーロスペース他で全国順次公開

Introduction

かつての連続児童殺傷事件の影が落ちる団地。
少年と彼を見守る管理人の心の交流は、人の心を時に癒し、時に壊す、誰も名前を思い出せない声“ポカポン”に飲み込まれていく──。

『横須賀綺譚』が重慶青年映画祭で絶賛された監督・大塚信一は、日本映画界を代表する巨匠、故・長谷川和彦に師事したのち、有名ラーメン店で働きながら映画を制作。

主人公の少年・健太役に『海辺へ行く道』など注目作が続く原田琥之佑、健太を見守る団地の管理人・駿一役に実力派・尾関伸次、他にも菜 葉 菜、大角英夫、川瀬陽太、山崎ハコら優れた俳優陣が世代を超えて集結した。

Story

貧しい生活、隣人の騒音。不条理な現実に苛立ちながらも、母・朝子、弟・祐二を支えようと生きる中学生の健太。そして、彼の周りで鳴り響く“ポカポン”という謎の声。

そんな家族を静かに見守るのは、団地の管理人・駿一。
やがて、健太と駿一は心を通わすようになるのだが、かつて世間を震撼させた連続児童殺傷事件の犯人が、この団地に潜んでいるという噂が流れ始め……。

Cast

原田琥之佑

原田琥之佑宮下健太役

2010年2月2日生まれ、東京都出身。
2022年公開映画『サバカンSABAKAN』(金沢知樹監督)にてデビュー。同作品にて、おおさかシネマフェスティバル2023新人男優賞を受賞する。その他の出演作に『軍港の子~よこすかクリーニング1946~』(23/NHK)『天狗の台所Season2』(24/BSTBS)『夜の道標 -ある容疑者を巡る記録-』(25/WOWOW)短編映画『NEO PORTRAITS』(GAZEBO監督)『ルート29』(森井勇佑監督)『平場の月』(土井裕泰監督)など、幅広く活躍中。
2025年映画『海辺へ行く道』では約800人のオーディションから主演に抜擢され、さらに、「日経エンタテインメント!」2026年の新主役100人の”期待の10代俳優たち”に選ばれた。2026年は、『俺たちバッドバーバーズ』(26/TX)をはじめ、複数公開を控えている。

尾関伸次

尾関伸次大楠駿一役

1980年生まれ。岐阜県土岐市出身。
2004年、巨匠・出目昌伸演出の『大都会の女たち』(TBS)でデビュー。
『新撰組血風録』(11/NHK)の斉藤一役で注目されるなど、テレビに多数出演する一方で、映画でも『罪』(港岳彦脚本・いまおかしんじ監督)『TSUYAKO』(Mitsuyo Miyazaki(現・HIKARI)監督)『陰獣』(バーベット・シュローダー監督)など様々なジャンルの作品に出演。主演した佃尚能監督の短編映画『鼻歌』は第69回カンヌ国際映画祭で公式上映された。
本作『POCA PON ポカポン』には大塚信一監督と共に企画から参加した。

菜 葉 菜

菜 葉 菜宮下朝子役

2005年に映画『YUMENO』(鎌田義孝監督)を主演し、本格的に女優デビュー。
『ヘヴンズ ストーリー』『64-ロクヨン』(瀬々敬久監督)など多数の話題作に出演。
2012年には『どんづまり便器』(小栗はるひ監督)で夕張国際ファンタスティック映画祭 最優秀主演女優賞を、2019年には『赤い雪』(甲斐さやか監督)で第14回 LosAngeles Japan Film Festival 最優秀俳優賞を受賞。その他の出演作に『ノイズ』や主演作『夕方のおともだち』(廣木隆一監督)など多数がある。最新映画『金子文子 何が私をこうさせたか』(浜野佐知監督)では、Newyork International Film Awardsで最優秀主演女優賞を獲得した。

大角英夫

大角英夫宮下祐二役

2013年1月30日生まれ、東京都出身。
TBS連ドラ『ライオンの隠れ家』でドラマデビュー。その他の出演作に映画『中山教頭の人生テスト』(佐向大監督)、Netflix『10DANCE』(大友啓史監督)などがある。
CX連ドラ『ラムネモンキー』では、反町隆史が演じる主人公の一人・吉井雄太(ユン)の幼少期役を務めた。

川瀬陽太

川瀬陽太松尾義男役

1969年生まれ。
福居ショウジン監督『RUBBER’S LOVER』で初主演、初期は瀬々敬久監督初め多くの成人作品に出演。2016年に『ローリング』(冨永昌敬監督)『犯る男』(山内大輔監督)などで第25回日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞受賞。
出演作に『菊とギロチン』『バンコクナイツ』『シン・ゴジラ』『激怒』『こいびとのみつけかた』『白鍵と黒鍵の間に』『ラストホール』『BAUS 映画から船出した映画館』、ドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』『ドンケツ』『潜入兄妹』『テミスの不確かな法廷』『シリウスの反証』など。
大塚信一監督とは前作『横須賀綺譚』からタッグを組んでいる。

山崎ハコ

山崎ハコ豊島恵子役

ミュージシャンであり、長年ライブ活動を行っているが、女優としても舞台、映画と幅広い活躍を続けている。
出演作は特に映画が多く、代表作には『ヘヴンズ ストーリー』(瀬々敬久監督)がある。その他の出演作には『押繪と旅する男』(川島透監督)『脳男』『グラスホッパー』(瀧本智行監督)『64-ロクヨン』(瀬々敬久監督)などがある。
近作には『花腐し』(荒井晴彦監督)『POCA PON ポカポン』(大塚信一監督)がある。

Staff

大塚信一監督・脚本

1980年生まれ、長崎県出身。
映画学校などで正式な教育を受けることなく、フルタイムで働きながら独学で映画制作を学ぶ。長谷川和彦に師事、『連合赤軍』のシナリオを手伝った経験も持つ。現在はラーメン店で働きながら映画を作り続けている。
長編デビュー作『横須賀綺譚』(2020)は、少人数のチームと極めて小さな予算で制作された作品であるが、中国の重慶青年映画祭で上映され、その風変わりなトーンと、静かに不穏さを滲ませる空気感が高く評価された。
長編2作目となる『POCA PON ポカポン』では、暴力の記憶や家族のあいだに沈殿する言葉にならない不安といった「目に見えない圧力」が、どのようにして「ごく普通の生活」を静かに侵食していくのかを掘り下げ、前作と同様に、はっきりと姿を見せない何かによって日常の風景が少しずつ歪んでいく様を見つめている。
『POCA PON ポカポン』は第38回東京国際映画祭 Nippon Cinema Now部門でワールドプレミア上映され、その後RogerEbert.comに取り上げられ「驚くべき日本のインディーズ映画」として言及された。

[DIRECTOR’S STATEMENT]
この映画の主⼈公は貧しい⺟⼦家庭の少年です。
彼は⼤⼈たちに「君に未来はないよ。だから勉強なんかせずに遊んで、今をめいいっぱい楽しめ」と⾔われます。
今の日本でこんなことを⾔われているのはこの少年だけではないでしょう。そんな時、殺⼈⻤だけが優しく「君には未来があるよ」と語りかけたら…どうなるんだろう?
1931年に撮られた『フランケンシュタイン』という映画の中で、フランケンシュタインは⼀⼈の少⼥に⼀輪の花を渡され、救われます。
私は『POCA PON ポカポン』でこんな美しいシーンを今の観客に届けたい。そう思い、この企画を⽴ち上げました。

菊地成孔音楽

1963年生まれの音楽家/文筆家/大学講師。
音楽家としてはソングライティング/アレンジ/バンドリーダー/プロデュースをこなす。
サキソフォン奏者/シンガー/キーボーディスト/ラッパーであり、文筆家としてはエッセイスト&批評家であり、映画やテレビの劇伴も多い。「菊地成孔とペペトルメントアスカラール」「ラディカルな意志のスタイルズ」「菊地成孔クインテット」リーダー。2021年、自らの生徒と共に、ギルド「新音楽制作工房」を立ち上げ、テレビドラマ『岸部露伴は動かない』(NHK)、劇場用映画『岸部露伴 ルーヴルへ行く』(23)『岸部露伴は動かない 懺悔室』(25)などの劇伴を担当。2025年8月、新音楽制作工房名義の1stアルバム「未来のコドモたちの食べ物」(ビュロー菊地レーベル)をリリース。

Trailer

特報映像

劇場用予告編

Comment

人間を簡単にやめられることに、
私たちは気づけない。

この映画を観て,生きとし生けるものという言葉が紡ぐものと,永山則夫の木橋が胸の中に去来した。
人は人だけではなく,なにかと出逢うことで救われる事がある。ただしその出逢いを自身が作れるか否かはその人の歩み次第。
佐藤浩市(俳優)
俳優とカメラに距離がある。少年の顔ははっきり見えない、だからこちらは見たくなる。
その平静な振る舞いとは裏腹に七転八倒のたうっているだろう彼の内面を知りたくなる。だがとある女性と対面した少年の、絶望でもなく諦めでもない、形容できない無の眼差しに、彼を知ろうとすることなど到底不可能なんだと気づく。
そしてやっとこの映画での出来事が自分ごととなる。このか弱き怪物に私は寄り添うことができるだろうかと自問する。
しかし、一本の映画の中で人ってこんなに変わるものなのか?人間の成長そのものが映っていて何だか怖かった。
その人原田琥之佑こそ、真の怪物なのかもしれない。  
横浜聡子(映画監督)
怪物か、聖人か。少年はその瞳に何を見たのか。
大塚信一の『POCA PON ポカポン』は映像のフェティシズムを超えて人間を正面から描き、さらには人間を超えた何かに触れる。
かつて、『青春の殺人者』や『十九歳の地図』など、人間を描く骨太の作品が 日本映画に多くあった。
そんな懐かしさと、そこにとどまらない新しさ。素晴らしい。この映画は絶望的な時代に差し込む希望の光だ。
伊藤洋司(中央大学教授)
不穏な単音になにか起きそうな予感に引き込まれ、それが和音になった時、希望が見えた気がした。
生まれ育った環境と状況により人は形成されていくと思う。
不条理に抗ったり従ったりしながらもがく兄弟が素晴らしく、原田琥之佑に原田芳雄さんの面影を感じた。楽しみだ。
是非、劇場で体感してください。
大塚君、またあぶらーめんとチャーハン食いにいくねー。
渋川清彦(俳優)
すぐれたホラーであり、サスペンスであり、ホームドラマでありながら、同時に破壊的な不条理劇でもある。
観終わったが最後、この作品はあなたの人生にとりついて離れなくなるだろう。
どこか懐かしいメロディのように、不意に響く天の声のように。ほのかな希望と底知れぬ不安をまとって。
すごい。これぞ映画。
吉川浩満(文筆家、編集者)
ピンクのボールと黄色い蝶々が小さなベランダに不意に入り込む時、ポカポンが始まる。
明るい狂気がクールな音楽と共に画面を開放し、赤塚不二夫「バカボン」のスピリットが流れ込んでくる!
この映画は我々をどこへ連れていくのか?何度でもリピートして、考察し、分析したくなる奇妙な傑作が生まれた。
映画館へ急げ!
田村千穂(映画批評)
人間社会の外側を取り巻く「不気味なもの」の気配と向き合う子どもたちの物語。
これまで知らなかった、役者としての山崎ハコの素晴らしさにも圧倒された。
不吉で恐ろしく、しかし本当の意味で生命の肯定に満ちた映画だ。
CDB(映画ライター)
家族ドラマ、社会的視点、逸脱した心理描写を織り合わせた『POCA PON』は、多くの点で黒沢清作品を思い起こさせる。
隣室から聞こえてくる謎の音によって、ケンタ一家が徐々に正気を失っていくという暗示的なプロットも、その一例だ。無人のコンクリート通路や泥濘んだ河原を捉えた不穏な撮影は、ありふれた日常の舞台の中に潜む禍々しさを際立たせる。
そこに、ジャズ・ミュージシャン菊地成孔による骨身に響くスコアが加わる。
海外で配給が実現すれば、黒沢清のファンは間違いなく惹きつけられるだろう。
Katie Rife(作家兼批評家/RogerEbert.com(2025)より一部抜粋)
『POCA PON ポカポン』という映画は静まり返った世界の表面にひびを入れるように始まる。
何気ない暮らしの音はある瞬間に意味を変える。世界がこちらを見返してくる。それは記憶の奥に触れる響きであり優しさと不穏さのあいだに漂う息でもある。
この映画が描くのは事件ではなく世界が少しずつ狂っていく感覚だ。何気ない仕草やまなざしが静かに人の心を侵していく。
時間は静かに滲む。観る者の中に入り込む。
『POCA PON ポカポン』はフィクションの皮を破り現実を見つめる私たちの視線を静かに揺さぶる。
佐藤佐吉(映画監督、脚本家、俳優)
少年たちが生きる。光ある光景をみてほしい切実な想いが、大人たちによって紡がれる。
それはどうなるかなどわからない、未来でさえなくてよいと―。
現実は無惨だ。四肢剥奪された映像、言葉が溢れ、死者の記憶さえ改められる。人間をやめたんです、と彼は絞り出すように告げる。その前に「一度」「やめている」とも、いう。いまある身体と、彼の歴史との裏切り合いが、愛と幽霊との輪郭をゆらめく。
人間を簡単にやめられることに、私たちは気づけない。原田琥之佑がこのゆらめきを、もう眼で追えない“ここ”で追っていく。
大塚信一が、いま世界と映画への愛として差し出す、尾関伸次との14年間の一瞬である。
木村文洋(映画監督)

Theater

東京
新宿K’s cinema5/9 (土)~
東京
ユーロスペース5/9 (土)~
京都
アップリンク京都5/15 (金)~
大阪
第七藝術劇場5/9 (土)~
兵庫
元町映画館5/16 (土)~